M newstyle

 私のお気に入りのデザインの一つ。「NewStyle」です。今回はこのデザインの意味について書きたいと思います。

 

 このデザインは黒や白を使ってきた私のスタイルを一新させる色という追加要素が加わっただけという意味。だけのように思うと思いますが、もちろんその意味もありますがそれだけじゃないのです。新しいスタイルというのは今まであったものに付与されるもので、上書きされる表現が正しいのですが、このデザインは下地が元々青だったような描き方をしています。

 

 成長とは身につくもののように思いますが、私はむしろ成長することは0に戻ることだと思っています。人は成長というひとつの階段を上るとそこは原点から見て高い位置かもしれません。しかし、そこはその段の0でしかないのです。人は成長すればするほどそこが原点となり新たな成長を求めます。悪いものを被れば衰退し、成長すれば原点に戻ってくる。自分の目指す階段は高いようで目の前にあったりします。このデザインに関しては「成長」というより「ステップアップ」という言葉のほうが合っているかもしれませんね(笑)

 

 だからこのデザインは、今まで黒と白を基調に作っていたデザインを剥ぎ落とし、色が顔を出しているのです。

 

 逆に世間一般に思われている上書き思想は少し嫌いです。なぜなら上書きされることでその人は成長する前の人とまったく違う人になってしまうのです。上書きされることで今まであったデータも置き換えられ、まったく違うデータとして保存されるのです。そう考えると人は元々何もできない人であり、徐々にできるようになっていくという意味に思えて個人の素質が尊重されていないように思います。私の考えは少し変わっているかもしれませんが、多数派に流され自分の思う正解が不正解だと決め付けられるのが嫌いです。有名な哲学の話でもあるように、「私が見ているりんごは第三者から見て違うものなのかもしれない。私の"それ"は、第三者の"これ"じゃないかもしれない。」

 

 意見は正解も不正解もない。それを分かっていない大人が多く、「みんな違ってみんないい」という言葉を鵜呑みにした私達少数派は世間から冷ややかな目で見られ、外へ追い出されてしまう。現実は厳しく自分の感性すらも捻じ曲げられる社会にこれからまだ30年以上過ごさねばならないと思うと負けてしまいそうだ。就職活動を通して私は思い知らされた。自分の意見を聞いてくれる人は今のところいない。もう私は世間の多数派に流されテンプレートと化した面接をして、やってみないと分からない状況なのに自己評価し、自分はこういうことができる。とその先嘘になるかもしれない言葉を残し、それに惑わされた採用担当の方に内定をもらう。そんなのでその企業の為になるはずがない。私は今までの就職活動で真実しか言わなかった。しかし全敗。企業は嘘をついてまできれいなことしか言わない人を信じるようになったのか。

 

 話が逸れたが、私はこのデザインを通して世間の歪みを訴えたつもりである。そこまで深く読み取れなかったというのならそこまでだ。そんな人はこれからまだ新たな原点へ向かうことができる。それが難しいか容易か。はたまた成長と思えるか衰退と思えるか。それも個人の自由である。知識や感性を養うことに無駄はない。広い世界に目を向けることで世界の歪みをみつけることができるだろう。それに背くように生きるか、私のようにそこへ疑問を持ち、自己表現の場として世界の万人に伝わるように絵として表現し続けるか。

 

 伝わってほしいわけじゃない。自分が話したいだけ。人の考えることをすべて分かる人には今のところ出会えていない。私は我慢したくない。